【感想】堕天作戦 地獄献上 Part6【先読み】

感想

1日夜に更新された先読み分の感想です。ネタバレ含みますのでご注意ください。

みなさんご存知かと思いますが、マンガワンで作品をお気に入り登録しておくと、更新10分前に読むことができます⭐️毎月第一火曜日の夜23時50分に堕天作戦を読めますよ。

毎回更新のたびに内容の濃さや情報に頭がパンクしそうになりますが、今回は心がパンクしかけました。

心の半分くらいが堕天に持って行かれたまま過ごしています。淡々としたナレーションと描写での表現なのに受ける衝撃は半端ないです。見開きや大げさな表現をしなくても心を打つ作品は出来るものなのですね。

冒頭のゼロ旋風の概略図、親切すぎるでしょ。未曾有の被害をもたらす魔法の解説を論理的にしてくれるが堕天作戦らしい気がします。20年ほど前に流行った理系小説のようで、会話のテンポやセリフも「〜だわ」とかがなくてリアルよりですね。

コサイタスの魔法でクメル軍の8割の戦力が削がれましたが、残り2割はまだ残ってるんですよね。もう戦う余力はないでしょうが。

そのクメル軍の死体が吹き荒れる風に舞い上がってヘルメットがアンダーを直撃します。

「死ぬほど天気悪い」「ヘルメットか、天の恵みだ。」

アンダーは相変わらず言葉のセレクトセンス抜群です!このヘルメットのおかげでコサイタスはアンダーのことを死ぬまでヘリオスだと思い込んでいましたね。このヘルメットの文字、何て描いてあるのでしょうか?Solo91にも見えるけど、別の文字かなあ。

1巻の竜姫活殺に出てくるクメル兵はこんな装備してなかったですし。クメル兵は円筒形の帽子がベースなので今回降ってきたのは歩兵ではなく別の兵士の装備でしょうか。

コサイタスは自身の魔法による気象操作で分厚い雲の中心にいます。不眠不休で3日歩き続けるって老体なのに元気!ゆっくりペースとはいえ200キロぐらいは歩いていると思います。

この虚無の世界を歩くコサイタスの表現、本当に文学のようです。静かな夜に読んでいると気密服のかすかな動作音が聞こえて来るような気がします。魔法が尽きて雲が晴れたために星が見えて来るくだりは綺麗ですね。雪と星という自然の美しいきらめくものが交互に現れる演出。三ツ星を見たときにコサイタスはヘリオスを失ってからの8年間を反芻しています。

不死者に会えなかったことをシバが意図的に妨げていたと気づいてはいたようです。シバがヘリオスほどの不死者を見つけられなかったから、不死者を至高の存在として信じているコサイタスをがっかりさせないために不死者を消し去っていたのでしょう。ナイフ不死者以外にも実はシバは不死者と接触していたのでしょうか。そのシバがアンダーのことは認めてコサイタスの元に導いたというのは、地獄献上を見てからだとすごい事だったのだと気づきます。アンダーがヘリオス並みの器だと信じて腕章を託したのでしょう。

夜明けと共にアンダーが現れます。日の出を背負う不死者の姿は宗教画のような荘厳さをもっていますね。コサイタスのヘリオスに対する思いは信仰に近かったと思うのですが、彼の目には奇跡に映ったと思います。

凍りながら念波で一方的に会話するシーンは虚空処刑の時のレコベルと同じで象徴的です。錯乱したレコベルと同じく、コサイタスもアンダーを見間違えているしアマチやレコベルを過大評価している気もしますが、最後に信じたまま逝けたのはよかったなあ。

ヘリオスとの思い出を念波で語り、朝日を見たコサイタスはシバとの夕日を思い出し、最後にシバに声を出して呼びかけて絶命します。最後の肉声がシバ宛てというのはヘリオス信仰でお腹いっぱいだったので救われた気がします。そして最後に見た景色が不死者が槍をすてて自分に対して手を差し伸べている光景。コサイタスは冷徹な大量虐殺者なのに、地獄献上通してすっかり感情移入してまい、いい死に方でよかったなあと思わせます。

アンダーが持ってる槍であっさり刺すIFも予想していたので、最後の救いとなったのは本当によかったです。さすが主人公!でもレコベルの事信じてよ。いつになったら再会できるのでしょうか。

アンダーはシバから預かった腕章を腕にかけてやります。やりとりを知っているのはアンダーとシバだけだから、シバ専用の腕章をつけているコサイタスを発見した時の人々の反応を想像しちゃいます。バトンをちゃんと渡せてよかったです。アンダーはギンカ隊やゾフィアや負傷したシバなど、弱っている人には基本優しいようです。

最後のテロップの奪った人命29万、与えた経済損失8ビリオンルピーとは一個人として破格の数字です。大量殺戮者だけど戴天党がのしあがった戦力だったのでしょうね。どうなるのかな、戴天党。

今回がで地獄献上がラストなので次回は別の章が始まるようです。早くも11月が楽しみ!

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