8月にマンガワン連載当時に投稿したものを時系列を整えて再掲載です。既読の方は同じ内容ですのでご了承くださいませ。
現在軸と過去軸を行ったり来たりしながら物語が進んでいきます。
冒頭はゼロ旋風を巻き起こすコサイタスの元へ向かうアンダーの描写です。
戴天党過去話がナレーションなどでまとめられたらどうしようかと心配になりました。コミック5巻が電子版になったりと色々先細り感があるのですが、打ち切りだけはなって欲しくない作品です。
吹雪で前が見えないアンダーは「また遭難？また？」と自答しています。遭難はゾフィアやシバと出会ったセイロンの樹海のことかな？アンダーは飄々とした性格で予定調和でなくても動じなさそうだし、何より不死身なんだし、遭難をそんなに恐れなくてもいい気もしますが。クメル軍を見つけても「余計な戦闘したくない」と言ってるから一刻も早く目的のコサイタスに会いたいのでしょうか。今回のアンダーはずっと真面目な表情をしていてべ、普段と別人∑o(*’o’*)o
クメル兵士の有様は胸をえぐられます。薬漬けのジャンキー兵士とはいえ一人一人は家族も信念もある人間なんですよね。
クメルの一隊が全滅しているのを見てアンダーは吹雪が誰かが起こしている魔法だと気づきます。クメル兵士から槍を受け継いでコサイタスの元へ向かいますが、コサイタスをその槍で刺したりしないで！シバの想いが裏目となったら誰も救われないです。
ただ、アンダーから見れば今の被害者はクメル兵士なので、（ギンカ隊の時みたいに）被害者に助力する傾向のあるアンダーが、コサイタスのことを認識せずに敵とみなす可能性もありますｶﾞｸ((( ;ﾟДﾟ)))ﾌﾞﾙ
コサイタスは氷一面の景色を見ながら少年シバと一緒に見た景色を思い出しています。
吹雪やゼロ旋風を巻き起こしている描写、そして夕陽の描写どれもが美しい！その美しい夕陽に対しても「色が変わっただけ」「本来は頭上にあるべき」としか思わないけれど、少年シバに共感するために「うん、綺麗だ」と嘘をついてやります。
少年シバはそれを見抜いて「嘘は悪いってばかりじゃなくて必要なこと」と解釈しています。シバなんて賢いんだ！制御脳補助してやっと人なみの知性ってホワイトには言われていましたが、ちゃんと本質を見抜く能力があるし空気も読む。そのシバはコサイタスがヘリオスを殺すつもりでいることにも気づいています。
「ヘリオスを偉大のままに留めるため」とコサイタスはシバにちゃんと本音で返事をしたのは、そうするのが人間らしいと思ったのか、もともとのコサイタスの生真面目さなのかどっちでしょうか。
コサイタスの思考はまとめると
ヘリオスに近いものにコサイタスもなりたい→コサイタスも意識して人らしくふるまう。（シバを保育する）
コサイタスがヘリオスに追いついたことでヘリオスとの距離は縮まるが、ヘリオスにはもっと高みに行ってもらいたい→ヘリオスを殺すことで伝説化させて至高の存在とする。
であってるのかな？
自分が親友に殺されるかもしれないことをヘリオスは知っているのかいないのか、すっかり丸くなって穏やかな顔で「お前は天を掴む器だ」とコサイタスに言います。
謝らなければならない、とコサイタスが言ったその内容は
「これから殺すつもりだ」なのか「（今はもうそのつもりはないけど）殺そうとしていた」なのかどっちなのでしょうか。その答えが出る前にヘリオスがあっけなく死んでしまいます。爆弾テロでたった一人犠牲になったのがヘリオスって狙われていたんじゃないでしょうか。
そういえば星彩燦然でのシバの回想でヘリオスは瓦礫の上で絶命していましたね。あの頃からこの設定があったと思うと作者さんの構想の確かさを再確認します。【あらすじ】堕天作戦 3巻 星彩燦然 Part1
チャムの街はシャム（タイ）のことかな？それともベトナムあたりのチャンパー国が語源でしょうか。
コサイタスへの返答は「聞こえねえ。愛しているぜコサイタス」でした。絶対聞こえてたと思います。しかしヘリオス美人です。軽口でもこんなん言われたら男女問わず落ちると思います。この笑顔がヘリオス生前最後のシーンとなりました。
ラストシーンは「不死者だ！！死ぬわけがない！！」というコサイタスの叫びでした。星彩慄然Part1で病床のコサイタスが叫んだのと同じ言葉です。今回のコサイタスはヘリオスの亡骸を抱えながら号泣していました。ヘリオスの再生能力が低下していることをコサイタスは知らなかったんですよね。だから今でもコサイタスはヘリオスが死んだとは信じていないのでしょうか。切ない。
戴天党過去話はひとまずこれで終着なのでしょうか？ナイトワット入党とか見たかったけど、コサイタスとヘリオスが主体でしたし、次からは現在軸でアンダーと邂逅シーンになるのでしょうか。コサイタスが満足するような結果となりますように。
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